J.C.C.家庭犬資格
コリー、シェルティは見た目の優雅さだけでなく
牧羊犬として活躍していた歴史も有り、犬としての賢さや従順さ
使役犬としての能力も秘めた素晴らしい犬種です。
現代では、牧羊犬としての仕事を与えられることもほぼ無くなり
一般の家庭で家族として暮らす家庭犬としても適した犬種です。
そうした、犬としての素晴らしい能力を引き出し
お互いが良きパートナーと成り得る為にも訓練
もしくは、躾けは重要なものとなってきます。
J.C.C.では、家庭犬としての日頃の訓練の成果を
認定する審査会と、一般に披露する機会として競技会を設けています。
但し、いずれも家庭犬としての優秀性を一般に示すことが目的であって
単なる訓練技術を示す審査ではありません。
認定された訓練資格はJ.C.C.認定の公認資格として血統証にも記載されます。
コリークラブの家庭犬資格 Obedince Trial には、
1. C.D.P.(Companion Dog Primary)初級家庭犬資格
2. C.D.(Companion Dog)家庭犬資格
3. C.D.X.(Companion Dog eXcellent)上級家庭犬資格
4. U.D.(Utility Dog)実用使役家庭犬資格

というように、C.D.P.、C.D.、C.D.X.、U.D.の四段階があります。
また、競技会へは、各資格を有する犬と
2次審査兼競技会参加犬のみが参加ができます。
U.D.(Utility Dog)実用使役家庭犬資格審査の団体競技(駐立停止3分)
審査員に触られても動かずに駐立停止を維持する犬達
家庭犬資格を取得するには
J.C.C.の家庭犬資格を取得するには、資格審査を受けなければなりません。
C.D.P.、C.D.、C.D.X.、U.D.の審査は本部または支部によって実施されます。
審査会は主にふたつ有り、C.D.P.、C.D.、C.D.X.、U.D.の審査と競技会が同時に行なわれる審査会兼競技会と、展覧会場で行なわれるミニトライアルです。
ミニトライアルでは、C.D.P.およびC.D.の審査のみが行なわれます。
但し、試験は必ず公開試験、公開訓練競技会で行なうことになっています。
その他、細かい規定については、コリークラブ発行の審査規定および標準をご覧下さい。
ここでは、C.D.P.、C.D.、C.D.X.、U.D.の審査内容と競技会について、初心者の方がご覧になってご理解頂けるように、ご説明させて頂きたいと思います。

C.D.P.(Companion Dog Primary)
初級家庭犬資格
及び C.D.(Companion Dog)
家庭犬資格
C.D.P.は、初級と称されるように、資格としては初級の位置づけとなっています。審査の目的も家庭で飼われている犬、人間のパートナーとして身に付けているべき訓練が課目として定められています。
C.D.P.とC.D.の審査課目は共通しているものが多いですが、C.D.になると合格基準や審査基準がC.D.P.よりも厳しくなります。(ここでは、細かい違いや審査については触れませんが簡単な違いについてのみ記載させて頂きます。)
尚、審査員からハンドラーへ出される号令を「指示」、ハンドラーから犬へ出されるものを「命令」と言います。
C.D.P.及びC.D.の審査規定および標準(抜粋)
ハンドラー 犬と共にリンクに入り直接犬に指示を出す人間。
C.D.P. ハンドラーは、犬の所有者又は家族であること。
C.D. ハンドラーは、犬の所有者又は家族であることに加え他の臨時指導手、訓練士等がハンドラーになれる。

  C.D.P.並びにC.D.の審査課目および基準点
審査課目配点
(1) 紐付脚側行進 35点
(2) 駐 立 30点
(3) 紐無脚側行進 45点
(4) 招 呼 30点
(5) 座 れ(団体) 30点
(6) 伏 せ(団体) 30点

合計点 200点
合 格 基 準
C.D.P.は、各課目の50%以上をとり、且つ総得点120点以上の場合に1回の合格で、資格を取得することができます。
C.D.は各課目の50%以上をとり、且つ総得点170点以上の場合で、2名の異なった審査員の合格により、資格を取得することができます。
1.紐付脚側行進
『紐付脚側行進』の課目では、犬にリードをつけたままでハンドラーと共に審査員の指示に従って脚側行進(ハンドラーの左脇に犬の頭が来る位置で歩調を合わせて歩くこと)を行なうものです。
C.D.P.の課目に対する審査員の指示用語は、「前進」「停止」「右曲り」「左曲り」「8の字歩き」「課目終わり」「回れ右」です。C.D.では、この他に「ゆっくり」「普通に」「早く」が加わります。
課目の始まりは、脚側停座(ハンドラーの左横に犬を座らせた状態で待機して待ちます。審査員の「前進」の指示でまっすぐ前に進み、「右曲り」や「左曲り」の指示に従い曲ったり「停止」の指示で脚側停座をさせます。
出される指示の順序は決まっていませんので、審査員の指示をよく聞くことが大切です。この課目の基本動作は、犬とハンドラーが一心同体に行動することです。
「8の字歩き」では、8の字ライン上を犬が通るように歩かなければなりません。8の字にラインは無く、C.D.P.では直径3mの小円が二つ並んだ中心点の間隔が4m有り補助員が向かいあって立ちます。C.D.も同様ですが、円の直径が2mで中心点の間隔が2m50cmに縮まります。
審査員の指示により、ハンドラーは犬を脚側につけてその補助員の周辺を犬がスマート且つ、スムーズに8の字を描くように進み犬を誘導します。(補助員の周りは相当窮屈に歩く必要があります。)
審査員の「前進」の指示に従い左右どちらから回っても良いので、補助員の周囲を8の字を描くように歩き、「停止」の指示で止まり犬を脚側停座させ、「課目終了」の指示で終わりとなります。
コースの取り方、歩き方の全てが審査対象になります。
2.駐 立
脚側停座で待機中の犬とハンドラーに、審査員の「駐立・犬を立たせて」の指示で、その場に声符または視符で犬を立たせて待たせる。審査員の「犬から離れて」の指示によりハンドラーは、リード長さ分だけ犬から離れて正面で向き合い、多少ゆるめたリードの端を持って犬と対面して立ちます。
犬を立たせた時と、犬から離れる時にも、共に「待て」の声符と視符、或いはそのいずれかを与えても良いことになっています。その間C.D.P.では駐立停止(向い合ったままの立った姿勢)で待機します。C.D.では、審査員が犬の頭部、胴体、後躯に触れます。もちろん動いてはなりません。
次の「元の位置へ」の指示によってハンドラーは犬の後ろを回り元の位置へ戻ります。課目の終わりは、左横に犬を座らせて終わりとなります。
3.紐無脚側行進
この課目については、緋付脚側行進と同じですが、C.D.では「8の字歩き」が省略されます。この課目の始まる前にリードは審査員に預けることになっています。
4.招 呼
この課目は審査員から指定された場所で犬を脚側の位置で座らせて待機して始まります。
審査員からの「犬から離れて」の指示によってハンドラーは、犬に「座って待て」の声符と視符、或いはいずれかを与えて審査員が指定したリングの端の位置へ移動します。
犬とハンドラーの距離は、C.D.P.では約10m、C.D.では約12mくらいと規定されています。
審査員が「犬を呼んで」と指示したらハンドラーは声符または視符を与えて犬を呼び寄せ、犬はハンドラーの正面に座ります。
審査員の「終わり」の指示で声符または視符により、ハンドラーの後ろを回って脚側の位置に付いて座ります。犬を呼ぶ時の命令では、C.D.P.のみ2回まで呼ぶことができ、来なかった場合は、大幅減点されます。
これに対してC.D.では、原則、一度だけしか命令できません。従って一度の命令で来なかったり、途中で別の方向へ行ってしまったもの、ハンドラーが呼ぶまで待てなかった場合は、不合格となってしまいます。

5.座れ(団体)
この課目の基本動作は待つことと、座っている姿勢を継続することです。
団体の座れ伏せの課目は姿勢継続時間が違うだけでC.D.P.〜C.D.X.まで同じです。 C.D.P.とC.D.の座れ継続時間は1分、C.D.X.は3分となります。課目の始まりは犬を脚側位置で座らせます
審査員の「犬から離れて」の指示により、犬に「待て」の命令を出して犬から離れ、審査員の指定した場所(C.D.Pは犬から約10m、C.D.は約12mの位置)でハンドラーと犬が対面します。
審査中は、いかなる時も、元いた場所から著しく位置を変えたり、他の犬のところへ行ったりしてはいけません。少なくとも要求された時間の3/4以上は姿勢を維持して留まっていなければなりません。姿勢を保っていても、吠え続けていたりした犬は不合格となります。この間に、元いた場所から姿勢を保って少しだけ動いた犬は、相当減点されます。
審査員の「元の位置へ」の指示でハンドラーは、犬の向かって右側から後ろを回って元の脚側位置へ戻ります。但し、審査員からの「課目終わり」の指示が出るまでは、犬は座れの姿勢を維持し、ハンドラーも犬に触れたりしてはなりません。
6.伏せ(団体)
この課目も、伏せ姿勢継続時間が違うだけでC.D.P.〜C.D.X.まで同じです。C.D.P.とC.D.の伏せ継続時間は3分、C.D.X.では5分となり、犬を脚側位置で座らせた状態で始まります。
失格や減点の基準も座れとほぼ同じですが、クラスによって減点などの審査に違いが有り、上のクラスほど厳しくなります。
また、団体課目では、犬が動いて歩き回ったり、走り回ったり、他の犬のところへ行ってしまったりした場合には、他の犬の迷惑にならぬようハンドラーが速やかに対処することが必要です。

以上が、簡単ではありますが、C.D.P.ならびにC.D.の課目についての説明となります。さらに細かい課目についての規定や採点基準等につきましては、コリークラブ発行の『審査規定および標準』ならびに『コリーとシェルティ』をご覧下さい。さらに、訓練にトライされたいと思われる方には、コリークラブ作成の『初歩からの家庭犬資格』のDVDもございます。刊行品については本部のホームページをご参照下さい。
犬を訓練することが可愛そうだと思われる方もおられますが、コリー、シェルティ、ボーダー・コリーなどの牧羊犬といわれる犬達は、使役を目的として作られたという歴史があるため、「人間のために働いて、誉められたい」という欲求を今でも持っています。
コリークラブの家庭犬資格とは、そうした犬達のDNAに組み込まれた本能に働きかけ、飼主が愛犬との絆を深める良い機会となると思われます。特に、C.D.P.ならびにC.D.の課目は、愛犬が家庭犬として良きパートナーとなるために必要な基本的な訓練が中心となっています。家庭とは違う場所でも、ハンドラーである飼主だけに注目し、その命令に応えようとする姿は、本当に愛くるしいものです。
一度、是非お近くで開催される家庭犬訓練審査会ならびに競技会を見学しにいらして下さい。そして、愛犬と共に挑戦してみて頂きたいと思います。
各支部で開催される審査会兼競技会などの日程については、コリークラブ本部のホームページで随時告知されますのでご覧下さい。
C.D.X. U.D.についてを見る
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